12月期


ハマグリ刃詳細 和包丁の場合

皆様お元気でしょうか?年末は何かと忙しいものですねぇ〜。
特集をしなくては!っと製作に入ったものの、本業が忙しくて中々
完成しませんでした。さぁ〜写真を撮るぞ!っと青い布を用意して
も、振り返れば青ニの蛸引きが乗っている(笑)おい何処から来た
んや?? 奥から社長が「仕上げてくれぇ〜」ってな感じがずっと
続いたので、休日出勤で完成させました。

嬉しい事に、特集の撮影終了後に電話が鳴って、INOXの注文が!!
お買い上げありがとうございます。ってな事で2004年最後の酔心特集です。
動画が多いので見るのが大変な方も居られるとは思いますが、ご覧下さい。

私、青木達哉が不慣れな説明でハマグリ刃を紹介しています(笑)
一応絵コンテを作ったのに・・・やっぱ難しいですね。

■ 本編 ■

数回に分けてご紹介してきたハマグリ刃ですが、アンケートの結果
もっと解り易くと言う要望が非常に多かったので写真と動画を混ぜて
紹介して行こうかと思います。

そもそも、本職用の和包丁はハマグリ刃になっています。
買った状態を維持する事で、簡単にハマグリ刃を維持する事が出来る
かも知れません!
しかし!本刃付けをされた方なら分かると思いますが、切り刃部分は
小さな凸凹があり、研ぎ上げて光らせようとした時に目障りになりま
す。この凸凹を研いで取ったからとて大きく切れ味には関係ありませ
んが、気分的に取ってしまいたい物です。
これを取ろうと闇雲に研ぐとハマグリが崩れたりしますし、場合によ
っては、ハマグリの出っ張りを全て研いでしまいシノギ筋から刃先迄
を完全フラットにしてしまう人が居るかも知れません。

そうなると、刃が弱くなってみたり食材はへばり付いたりしてしまい
楽しく?調理が出来ないかも知れません。
ハマグリにしても食材はへばり付きますが、1回切って布巾で拭いて
と言う作業が、2回切ってとか3回切ってとかになります。
自分が思った通りに物事が行く事は楽しくて気分が良くなるもの!

その為にも是非ハマグリをマスターしてください。
今回は解り易くなるように頑張ってみました!!


動画を見る前の予習!

どんなにネット社会が発達したと言えども動画に関しては高画質化する
と開くのが重たくなるので、先に写真で解説です。動画では動きを見て
頂けたらと思います。

@−1
刃先から切り刃の10分の3ほどをベタっと研ぐ。
(この10分の3は個人の自由です。3を4にすれば刃は薄くなります。)

@−2
切っ先からアゴまでを出来るだけ均等な幅で仕上げるようにしましょう!
結構難しいかも知れませんが、指の位置と角度、力の入れ具合で調節!

@−3
軽く裏でも押してチリチリを取り、包丁の刃を見てみます。
この時、刃道の曲がりや、刃が均一に伸びているかを確認!
この確認を適当にすると、@−2へ戻る事になってしまいます!



ここまでで、下準備完了。

A−1
@のような研ぎ方をすれば、確実に目に見えて段刃になっていると思います。
この段を取りに行きます。その時に、刃先を砥石に当てないように、段のみ
を研ぐ感覚で研ぎます。刃先は後々の仕上げで研ぎましょう。

A−2
写真のように、指の位置に注意しましょう。段刃になっている段の裏側を
押さえて研ぎます。気分的には包丁を研ぐと言うよりも磨いていると言う
感覚になるかも知れません。

A−3
少しずつ段が消えてきます。指でシノギから刃先に向かって写真の様に触って
みましょう。スゥ〜ポコっと薄っすら段を感じるかも知れません。

A−4
ここから、薄っすら感じる段をローリングで滑らかにして行きます。
ここで滑らかにしないと、滑らかな段刃?になってしまいます。
このローリングは、段の部分だけで行います。これを刃先で行うと絶対にダメ!

A−5
最終的には、ローリングと刃先のベタ研ぎを組み合わせて切り刃をハマグリ状
に仕上げていきます。

最も注意しいのが、刃先ローリングしてしまう方が非常に多いので注意です。
ローリングするのは切り刃部分で、刃先は真っ直ぐに仕上げてください。

上の写真は大げさにしゃくった図です。これはダメです!!

動画NO.1  動画No.2  動画No.5 

上記の動画はかなり大きいサイズです。DLに時間が必要かも知れません。
ADSLや光ケーブルなどの環境にある方は、そんなに問題ないかもです。

ハマグリ刃のメンテナンスについて。

包丁は絶対に研ぐ事が必要です。ハマグリ刃でいくら刃が強くなり切れ味がUP
すると言えど、確実に切れ止んできます。その時のメンテナンス方法です。

ハマグリを再び作るのが面倒だ!いちいち切り刃をローリングして〜っと言う
のが大変と感じる方が多いかも知れません。だからと言って、刃先だけを研ぐ
と段が強くなり、ハマグリ何より段刃になってしまいます。
こうなると、切れ味は落ちますし、再びハマグリにするのが余計に面倒になる
ので、そうなる前に対処しましょう。

使用頻度によりますが、2,3日に一回は中砥で奥まで抜く(奥まで研ぐ)いて
切り刃を薄くしておきましょう。使用頻度の高い方は、その都度中砥から行く
必要があるかも知れませんが、ちゃんとした青二鋼や白二鋼クラスになれば
それなりに切れ味持続力があるので、2、3日で良いと思います。
INOX鋼などは、かなり切れ味持続力があるので1週間に一回でもOKだと思いま
す。刃物鋼材や使用頻度によって上手く研ぐ時期を調節してください。


ハマグリ刃詳細 洋包丁の場合

洋包丁は機械刃付けが多い事から、最初からハマグリ刃になっている物は少な
いです。ちょっとキワモノになれば、ハマグリ刃が最初から付いているものが
ありますが、アンケートで頂いた使用されている包丁の大半がハマグリが付い
ていません! 付いているの物は、包丁なりに研いで行き、それを維持する事
でOKです。〈厳密に言うとダメですが・・。〉


買ってスグは、刃先がベタ研ぎに近くなっていますので、それを生かす方法で
話を進めます。

@−1
包丁にシノギ筋らしき物があると思います。そのシノギ筋を中砥で研いで消し
ます。この時、刃先は触らないようにしましょう。感覚的には刃先に近い部分
を薄く研ぐという感覚です。よほど上手い人で無い限り見た目が少々悪くなり
ますが、包丁は切る為にあるので了承してください。
綺麗にしたい人には後から綺麗にする方法を説明します。

注意:シノギ筋を完全に取ってしまうと切れ味がUPしますが、切り離れが非常
に悪くなります。薄っすら残すぐらいがベストでしょう!

@−2
シノギ筋らへんが消えてきたら、仕上げ砥でシノギ筋があった部分をローリング
します。刃先は触っては行けません!ブレードを磨く感覚です。

@−3
ローリング研ぎが終わって刃先と元シノギ部分に差が出ていると思うので、
それを無くします。感覚としては無段変速のように滑らかに仕上げます。
滑らかにですが、決して刃先でローリングしてはいけません!

@−4
細かい仕上げ砥で研ぐと鏡面になってきます。もしこれは嫌な方は、刃先以外を
中砥で霞ませるなどして下さい。 刃先は光ってる方がカッコイイと・・・。

@−5
刃先が真っ直ぐで、ハマグリが出来た包丁に仕上がりました。
裏も軽く研いで完成ですが、ハマグリで刃が強くなった!切れ味がUPした!っと
なるのですが、長い切れ味も欲しいものです。そんな時、折角ピンピンに研いだ
刃先を立てて糸引き刃を入れます。切れ味は落ちますが、刃持ちが良くなります。
どちらを選ぶかは貴方にお任せです。

両刃にしたい場合!

上記は片刃気味?片刃の時の研ぎですが、両刃にしたい場合は両方を同じように
すればOKです。ただし、購入時に片刃だった場合は一回刃を殺して荒砥から形成
しなおす方法がお薦めです。逆側からドンドン研いで両刃にするのも良いですが
一気にやった方が良いと思います。

動画No.3 動画No.4 動画NO.6

洋包丁、ハマグリ刃のメンテナンスについて

和包丁でも説明しましたが、包丁は研がなくては何時か切れなくなります。
そんな時は、購入されたくらいの小さなシノギ(段刃)を作ってから再びハマグリ
を付ける事をお薦めします。洋包丁は和包丁ほど難しくないと思いますよ!

洋包丁は和包丁に比べて薄く研ぎ易いですが、洋包丁も洋包丁なりに刃が厚くな
ってきます。そんな時は形振り構わずに、荒砥でブレード本体を薄くして行く事
がキモになってきます。

補足:包丁の厚みによって変化しますが、段刃が狭いほど刃が強くなります。薄く
   すれば切れ味がUPしますが、多少刃が弱くなると考えて下さい。
   その調節が調理師さんの仕事内容や、使用頻度に合った研ぎになると思います。


冒頭で言った綺麗にする方法。

綺麗に使いたいと言う方や、趣味で料理をされてる方はブレードを綺麗にしておきたい!
そういう方にお薦めなのが、包丁をまな板などの平らな部分に置き磨く方法です。
クレンザーや耐水ペーパーなどを利用してゴシゴシ磨きます。
砥石で磨いた?方が良い風合いが出ますが、角度が難しいと思うので、この方法をお薦
めします。 クレンザーや耐水ペーパーなどでは光らない可能性がありますが、光らせ
るならばホームセンターなどで販売されている「青棒」で磨くと鏡面ちっくになります。

また、表面のみのシノギラインを付けたい方は、セロテープなどでマスキングして磨く
と良いかも知れません。←ここまでするとナイフメイクの世界ですね!

注意:ゴシゴシしているとムキになりがちなので勢いで手を切らないように注意です!
   切れていると分かっているのに勢いで手が動くと言う恐ろしい現象になりがち!

動画No.7

ここまでで、本編の動画は終わりですが、ホワイトボードを使用したハマグリ刃などの
説明を行っています。絵も下手で見難いですが、宜しければどうぞ!
一つお詫びですが、さかさまに撮影してしまいました(泣)ご覧頂けたらわかると思います。

動画No.8 和包丁編   動画No.9 洋包丁編

 

和包丁と洋包丁のハマグリ刃付けを解り易く特集しましたがいかがですか?
ご理解頂けましたか?個々にハマグリ刃を付ける方法は色々だと思いますが、段刃を付
けてそれを消す方法が最も簡単でチャレンジしやすいと思います。
年末忙しいとは思いますが、新年をハマグリ刃でスタートしてください。


2004年酔心総特集まとめ!

今年は「切れる包丁選び」さんとのリンクもあり沢山の方々に感想や応援を頂きました。
酔心特集開始当初は誰が見てくれるのかも解らない状態から始まりましたが最近になって
ようやく実感が湧いてきて、もっと良い情報を!っと明日への活力となっています。

この特集を製作する事で、色々な事を勉強したり、職人さんから職人生情報を仕入れる事
が出来たりし、皆さんに情報を提供し喜んで頂きながら、個人的にも知識が増えています。

また、沢山の方々の包丁に対する信念なども沢山メールで頂き、新しい砥石を製造したり
新しい境地の包丁を製造すると言う現場の意見に直結した製品作りも出来る環境が出来ま
した。アンケートにご協力頂いた方々には非常に感謝しております。

来年の酔心特集は、研ぎに関しての特集を中心に新素材の解明や特色、職人さんからの情報
そして、そろそろ確立した包丁刃物鋼材と砥石の相性を出して行きたいと思います。
裏酔心特集は、もっと踏み込んだマニアックな方向へ行こうかと思っています。


来年も頑張って色々な情報を配信していきますので、今後とも酔心特集&酔心製品を宜しく
お願いいたします。

青木達哉


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