2005年9月期

朝晩は涼しく、少し秋めいてきたかなぁ〜っと思う今日この頃。
皆様いかがお過ごしでしょうか?少し遅くなりましたが、9月期の特集です。
今回は、鍛造、鍛接についてのお話と銀三鋼関係のお話、そして素材別に
見る切れ味のお話などなどを結構色々と詰め合わせた特集です。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
鍛造とは鍛えて造ると言う事で辞書では!
「材料の一部(全部)圧縮したり打撃したりして鍛錬、成型を行う事。」
っとあります。それと正反対が、鋳造!型に流して器具を作る事!
そんなのはど〜でも良くて。

堺産の本職用の鋼和包丁は鍛造して製造されています。
何故に、堺包丁が良く切れるかと言うと鍛造されているからに他なりません。
鍛造すると、鋼の分子が砕かれて密度が濃くなり硬くなると考えています。

例えるならば、御飯と餅!御飯はパラパラしますが、餅は伸びる!
この餅にも、色々あって機械で作られた餅は結束が良く無い。
杵と臼で作った餅はかなりの粘り気があるのに良く似ている。
この粘りが長く切れる要因になる!

分子が細かくなって密度が濃くなると硬くなる。硬くなると鋭い切れ味が
出る。っと言うのが、折り重なって長く良く切れる包丁になるのだ!

ステンレス鋼は、鍛造しても意味が無い(鋼ほど効果が無い)っと言われて
います。クロムなどの混ぜ物が多くて分子が砕かれないからかも知れません。
そうなると、ステンレス鋼は生まれながらにして分子の細かい物が良い!
って事になります。

最も良いステンレス鋼はスェーデンINOX鋼です。
これは、職人さんに聞いてもスェーデン鋼はエエっと言います。
生まれながらにして純度が高く、分子が細かいのが特徴です。

もしかしたら、切れる包丁選びさんが考えるように、コレを叩けば
より細かくなるかも知れませんが、恐らく高価な物になるでしょう。
ステンレス鋼材その物が高価なので・・・。

ここでは書ききれない・・ので特集へ持っていきます。 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

っと言う事で特集へ持ってきました(^^)b
炭素鋼(青二鋼、白二鋼など)が叩く事によって良い切れ味が出る事は、以前から
特集で紹介していると思います。詳しくは過去の特集をご覧頂ければと!

鍛接と鍛造ですが、日々修行でも書いたように鍛接は地金と鋼を付ける時に行う作業です。
刃金付けとも呼ばれていますが、この作業が鍛冶屋の腕を左右する事で、温度を高くすれば
確実に綺麗に接合できます。しかし鋼がボロボロになります。
低い温度で、キワキワで接合すると鋼に優しく鋼が持つ本来の切れ味を出してくれます。
しかし、温度を低くするとアイケ(鍛接不良)が出たりします。
これは商品価値が無くなるので不良品として処分されていきます。アウトレットですね!

更に鍛造は、鍛えて造る(叩いて伸ばす)の作業が重要で、これによって包丁が網目のように
締まって、硬く粘りある包丁になっていきます。冷間鍛錬なども加わると凄く良く切れる包丁
になります。

これらは伝統的な製法で日本の物造り文化だと思います。

上記の作業をより楽チンにしようと思う人も居るわけで・・・。
利器材と言う物が存在します。これは材料の時点から鋼と地金が接合されています。
変な話不良品の出にくい便利な材料です。造れば造った分だけ包丁になって行く〜。
しかも相当安い包丁を作る事ができます。上記に書いたように、不良品を無くす為に温度を
高くして確実に接合させようとします。もちろん鋼がどんな状態かは想像できると思います。

●相当安い包丁=叩かないでローラーで包丁に伸ばして型で抜く!

さて、最近サビに強い包丁が良く出てきました。1990年に酔心が酔心INOX本焼和包丁を出した
時は、まだまだ炭素鋼包丁が主流で異端な感覚で捉えられていたような・・・。
今となっては本職用として現場で活躍する時代になりました15年に社長と堺の伝統工芸士が考
えて製作した事は結構気合が必要だったのでは・・っと思います。

それはさて置き、伝統的な製法がサビに強い系包丁に生かされているのか!!です。
通常言われているステン系は叩いても効果が薄い、鍛接が出来ない??っと言う事を検証です。

そもそも何故錆びないのか!っと言う事から始めますと、化学成分表をお持ちの方ならご覧頂
ければ解ると思いますが、通常の炭素鋼材料にクロムを一杯入れたからです。
銀三鋼で言うと、炭素量は白二鋼Bと良く似ています。それに13.00%〜14.50%のクロムを入れる
と銀三鋼になります。(正確には違いますよ・・解りやすくデス。)故に、銀三鋼が従来の炭素鋼
並の硬度を得られると言われてる由縁です。言わば合金でピュアな材料に色々混ぜている物で、
変な話白二鋼とかよりもシリコンやマンガン硫黄が多いんですよ!切れ味を落とす物を入れる!
ステンレス系で良い切れ味を出す為には少々の毒も必要なんですね〜綺麗な薔薇には刺がある(笑)

さて本題ですが、ステン系は鍛接出来るのか!っと言う点です。
これは、職人さんが会社に来られた時に薄っすら聞いた話ですが、ステンレス系は接合するのが
難しいと言う事。特殊な鋼材ほど、接合するのが難しいと言っていました。
確かZDP189やカウリXの話をしていた時の話だと思います。

上記の写真を見て頂ければ、分かるように接合部分(軟鉄と鋼の境目)が真っ直ぐです。
これは利器材である可能性が大きいです。何故に真っ直ぐなのかは、ご理解頂けると思います。

上記は土井さんが打った青二鋼柳刃です。
この接合部分は不規則に波々が出ています。これは確実に手作業で鍛接した物です。

注意:しかし、この波々を利器材でも出す事が可能のようです・・・。見分け方は価格ですが、一番
    手っ取り早いのは使う事です。もしかしたら、利器材と知らずに使っていて包丁の切れ味は
    こんな物っと思っている人は、一度手作業鍛接の包丁を使ってみて下さい。
    びっくりするくらいに切れますよ! そう!利器材でもアイケ出たりしますので・・。

■銀三鋼は鍛接してるのか!?■

それで、ステン系の鍛接、鍛造について詳しく聞いておく必要があるので、職人さんの工場へ訪問
して、その部分を重点的に聞いてきました。

@銀三鋼は手作業で鍛接してるのか?

銀三綱は、手作業で鍛接する事が可能です。しかし、熟練工が手作業で鍛接した場合でも10丁中
5丁はアイケなどのキズ包丁になります。それほど温度管理が難しく現実的な事では無いとの事でした。
ほとんどが、利器材でそれを叩いて伸ばして!と言う作業だそうです。叩いて伸ばす=鍛造になります。
ズバリ鍛接していないと言った方が嘘になりませんね!!

ステンレス系を普通の炉で温めて・・・っと言う作業をしていると作業が全く進まないらしく、電気炉の
高周波で温めて鍛造する事が出来るようになってから作業効率が上がったようです。


A冷間鍛錬はステンレス系に良い効果を与えるのか?

銀三綱に関しては、冷間鍛錬は裏の比を造ったり修正したりする程度で叩き込んでいないそうです。
それよりも、鍛造(火造)の時点で叩きまくっているそうです。通説ではステンレスは鍛えても切れ味に
影響してこない!意味が無い!っと言われていますが、銀三綱に関しては叩けば叩くほどしまって良い
包丁になるようです。

こんな例を教えてくれました。
柳刃の銀三綱本焼の注文があったのですが、柳刃用(厚み)の鋼が在庫切れで鋼材が入って来なか
ったらしいのです。仕方なく、出刃用(厚口)の鋼を叩いて伸ばして柳刃用の厚みに変えて包丁にした
ら、メチャクチャキンキンの鋭い包丁が出来たようなのです。これは、刃付け屋さんからのフィードバック
と問屋からのフィードバック、エンドユーザーからのフィードバックで実証されているようです。
で!じゃあ、酔心もそれで打って下さい!っと言ったら「ムリムリ(^^;めちゃくちゃしんどいねんで!!」
っと即断られました(^^; 15mmの鋼材を4mmにまで叩いて伸ばすんですからねぇ〜〜。
それも真っ赤にしたら、鋼材に良く無いからゆっくりゆっくり伸ばす作業が永遠に続く・・・・。

ちなみに、柳刃用で作った本焼がHRC60前後だったのに対して、出刃用で作った本焼はHRC63!
凄い違いですよね♪ 材料が無いのを見計らって注文してみようかなぁ〜〜(^_^)v
冷間鍛錬と言うよりは、叩いて伸ばすと言う作業は銀三綱に関しては切れ味とても重要な要因を与える
ようです。


Bステン系の焼き入れと焼戻し、について。

ステンレス系の焼き入れですが、これは何回かご紹介したと思います。
銀三綱の焼き入れは流動層と言う興味深い機械で行われてるらしいです。
焼き入れ温度は、1050℃〜1055℃で7−8分入れたままで、後は空冷!焼戻しマシーンで戻す!
何とも近代的な製法と言うか、機械的なと言うか・・・。

流動層と言う機械が気になりませんか?取り合えず構造などを聞きましたが、現物を見てないので
今度、焼き入れに同行してビデオに収めようかと思っています。


もっと色々な情報を得てきたのですが、出し惜しみします(^0^)b

総合的に考えてですが、ステンレス鋼関係は人間が錆びないように作り上げた自然界に存在しない
鋼材だと思います。それを従来通りに製造しようと思うと、変な事(キズが出るなど)になってしまい
ます。個人的には、土井さんが行っているような伝統的な・・・っと思いますが、それは無茶な話で
あって、炭素鋼関係とはまったく別物の鋼材と捕らえる事が重要です。

それは、製造面だけでは無く使用する人の感覚にも影響します。
例えば砥ぎですが、従来の炭素鋼系の包丁と同じように研ぐと切れない、研げない、刃が付かない!
っとなります。ステンレス鋼系にはステンレス鋼に合わせた研ぎや砥石が必要になります。
その辺りを色々考えながら、ステンレス鋼と言う人工の鋼材を使うのも楽しい?良いかもデス!


■研ぎに関して■
話はそれますが、ステンレス鋼関係の研ぎのお話です。
ここまで、機械的な・・・話をしましたが、研ぎは伝統工芸士が手作業で研ぎ上げていますので!
*これらの事に関しては面白い特集を考えていますのでご期待下さい。


嘘、大げさ、間際らしい JAROに言うたろぉ〜(笑)

鍛造、鍛接に関する錯綜した情報に且つを入れようじゃないか!
こ、こんなテーマやったら怒られそうな気が・・・(^^; エエかな?本当の事だしねぇ〜。

鍛造と言う言葉が結構出ています。一般的に認識されている鍛造とは、地金(軟鉄)と刃金ね(鋼)を
合わせた物を言います。他の言い方は、霞とか本霞とか言ってみたり、打ち物とも言います。
要するに、鍛造と書かれた物は2枚の材料を合わせた物と考えられます。

この2枚の材料を合わせた物は、土井さんが行っているように手作業で製造された物と利器材があり
ます。よって、鍛造と書かれているからと言って手作業で温度管理をして合わさった物とは違うと言う
事です。 本焼にしても一枚の鋼を鍛えて形状を作っていくのですから、ある意味鍛造とも言えます。

とにかく鍛造と言う言葉に左右されずに、包丁を良く見極める必要があります。
鋭さに結構な差があると思います。


■素材に見る切れ味の違い■

炭素鋼にしても、ステンレス鋼にしても結構な数の刃物鋼材があります。
鋼材によって、切れ味が変わりますが、これの説明を少々・・・。

炭素鋼に関しては、白1.2.3 青1.2.SPがあります。
鋼に焼き入れして切れる要素として一番純粋な物が白紙系統だと思っています。
恐らくこれが万人受けする標準的な切れ味が出て価格も手ごろな鋼材ではないでしょうか。
青紙系統になると色々な混ぜ物をして、その切れ味を維持する方向へ改良したりしています。
ステンレス鋼に関しては、INOX鋼や銀三鋼、V金10号、ATS34、ZDP189などがあります。

それぞれを相性の良い砥石で研いだ瞬間の切れ味は、全部良く切れると思います。
この切れると言う感覚には色々あると思いますが、切れ味を左右する物は何なのか??
実際に顕微鏡で目視した事が無いので、ハッキリとは言えませんが鋼の構造にあると思います。

鋼の分子構造ですが、細かいほど滑らかな切れ味を得る事ができます。
しかし細かいほど、滑っていく傾向にあります。故に、あえて不純物を入れたりして滑るのを抑えます。
分子構造が細かいとは別に、クロムが入るとこれまた滑る傾向になります。

基本的に鋼の切れ味とステン系の切れ味は全く別の観点で考える必要があります。
鋼の切れ味をステン系に求めると物足りない感覚に陥ります。
鋼は切れ込むような切れ味が出ます、ステン系は滑りながら切れていく感じを受けると思います。
この感覚の差は、鋼材が構成する分子構造に他ならないと考えています。

白鋼と青鋼では青鋼の方が分子が細かく繊細な素材です。
故に、青鋼関係の方が滑らかで良い切れ味が出て、それが維持できる素材といえます。
2号1号SPの順番で炭素量が増えたり、混ぜ物が増えて行きます。
これらを真剣に研いで細かい砥石で仕上げると、爪の上で確実に滑ります。これを刃の付きが甘いと
言いますがシャンとした刃が付いていないのにも関わらず切れるのが青二鋼の特徴で、「甘切れする」
と言われる由縁になっています。 
1号やSPになると硬度が上がるので、シャンとした刃が付くと思いますが、そのシャンが抜けたとしても
分子構造と炭素量の関係から、良く切れる感覚を得る事が出来るかも知れません。

*分子構造=鋸刃の構造とも考えられます。分子以上に細かい刃は付かない!!

逆に、白鋼関係は噛みつくような切れ味を出してくれます。何で噛むような切れ味が出るのかと言うと
変な混ぜ物が無いので、滑る要因が無いのと分子構造が青鋼よりも荒い為だと考える事ができます。
青鋼が白鋼よりも分子が細かいと言いましたが、白一鋼になると青鋼よりも良く切れるようになります。
考えられる要因は、炭素量の多さから生まれる高硬度が一番の原因だと思っています。
これこそ、「硬度=鋭い切れ味」の定説を作ったのではないでしょうか。

ちなみに、白一鋼は水本焼で造った場合にだけ、限られます。鍛造(霞)の場合は、「良く切れるなぁ〜」
程度かも知れませんね・・・。白一鋼水本焼を研ぎ上げて爪の上で引くと食い込むらしいです。
指が落ちるのでは・・・っと思う程の食い込みらしい。。味わってみたいような恐いような・・・。
どうして水本焼に限られるのか!っと言う事は皆さん考えてみてください。

じゃあ、青一鋼も炭素量が多くなるでしょ?じゃあ白一鋼よりも切れるんじゃ・・・っとなりますが、
青一鋼の炭素量が増えると同時にクロムやタングステンも増えていきます。
確かに切れる素材になりますが、分子構造的に考えて白一鋼には勝てないと言うのが鍛冶屋さんの見解
で、青一鋼、青二鋼に入っているタングステンを抜くと、良く切れるんだけどなぁ〜っとの事でした。

参考までにですが、青二鋼から青一鋼にグレードアップするとタングステンが1.5倍になります。
硬度が上がりますが、それ以上にクロムやタングステンが増えて行くので・・・まあそういう事です。


次ぎにこれからの主流になりつつあるステンレス系の鋼材について切れ味の違いを解説してみます。
INOX鋼や銀三鋼、V金10号、ATS34、ZDP189とその他にはシャガール鋼やカウリXなど様々な
鋼材が最近出まわってきました。これを全部説明すると大変な事になるので、個人的に得た情報を
チョコチョコと小出しにして紹介しましょう。

ステンレス鋼=切れない研げないと言う印象があると思う方も居られるかと思いますが、全く違う性質
の鋼材である事を認識する必要があると思います。極端に言えば、マグロと鯛くらいに思っても良い
かも知れません。これを認識して研ぎ方や砥石を変えて行くと違った形の道が見えてくると思います。 

ステンレス鋼関係はサビに強いと言うメリットがあります。サビに強い素材にはクロムが12%〜13%
以上入っています。このクロムは研いだりして鋼材面にキズが入る(一皮剥ける)事があっても鋼材面
をスグに包み空気を遮断するような感じで、サビから守っています。(サビ=酸化鉄!)
守るっと言っても、レモンや酢などの酸系の強い物を当てると膜を破って錆びてしまいまう感じですね!
錆びない包丁と言うとウソツキ!になってしまいます。サビに強いと言う表現が正しいと思います。

ステンレス鋼も炭素鋼と同じように、分子が細かいほど滑らかな切れ味が出ますが、炭素鋼包丁を
使用されていた方からするればクロムの関係から滑って行く感覚の方が強いと思います。
この部分で切れ味感覚の差が変わるのかと思います。下記に写真を入れましたが、雰囲気を分かって
頂けると思います。

これは刃が切れ込む深さと包丁を引く距離の比率によって数値で実証できるかもしれません!!


分子が細かいと言えばスェーデンINOX鋼がピカイチで堺の職人さんもコレが一番やろうね!っと言って
いました。スェーデンINOX鋼は生まれながらにして素晴らしい分子構造があり、これで包丁を造ると良い
包丁が出来る事から、酔心INOX本焼和包丁や有名洋包丁メーカーなどが使用している優れた鋼材です。
その他にもINOX鋼と言う表示が最近出てきましたが、INOX鋼=スェーデン鋼ではなくて国産のINOX鋼
も存在します。国産のINOX鋼もそれなりに良いとは思いますが、スクラップなんかも入ってるらしく、、、
スェーデンINOX鋼と比べるに値しません。 仕事場によってはザラザラの方が良い場合も。。。??
炭素鋼で言うならば、青二鋼に近い感じのステンレス鋼と言う感じでしょうか。。

銀三綱に関しては、冒頭でご紹介したので控えます。
V金10号に関しては、銀三綱やINOX鋼よりも硬い印象を受けています。
良く切れるのか?っと言う点ですが、良く分かりません(笑)
和包丁にしないで洋包丁にした方が良いのでは?っと言う見解です。
この感覚は、個人的な感情(切れ味感覚)は入っているので、あまり参考にしないでください(^^)

ステンレス系に関しては、素材による切れ味を求めると共に、その鋼材に合った砥石を見つける作業の
方が重視されると思いますねぇ〜〜。 
ステンレス系は包丁の刃先のアクを取る作業(??)で大きく変わります。←分かりますか??

上記の事々は、鋼のウンチクや鋼材紹介関係の特集Webでご覧下さい。
少しだけにしようと思ったら長くなってしまいました。たぶんマダマダ話出来る楽しいテーマです!


■食材が包丁によって切れると言う事■

だんだん濃くなってきましたので話を戻して!
素材による切れ味の違いは上記の事々でご理解頂けると思います。
それ以外で切れ味に関係する事と言えば、研ぎになります。切れると言う事は食材を切り分けると言う事で
切り離す事と考えています。切れ味的な感覚と切り口は凄く綿密に関わりがありそうな気がしています。

切って、離す!っと言う作業が包丁の役割になります。
切るだけならば、薄い包丁(極端に言えばカッターナイフ)でOKだと思います。刃の通りは最高でしょう!
しかし、離す作業が行われません。切った物が刃に張りついて来ると思います。
張りつくと包丁の通りが悪くなり、切れない感覚になってしまいます。これは牛刀などを使い込んだ時に、
厚みによる切れ味低下の原因になります。

これは、切る物の大きさに関わります。短い距離ならば、薄くて刃角が少ない物でもブレード本体に張りつく
前に食材を切り終わる事が出来るので良いと思います。
距離が長い場合、切り終わるまでに張りついてしまうので、いくら刃先が鋭く繊細でも抵抗が生まれて切れ味
が悪く感じてしまいます。

この距離に合わせた包丁角度と、厚みが重要など思います。単に刃物鋼材が良いからと言って良く切れると
言う見解は、一概に言えない事で刃先の滑らかさと厚み、角度、が切れる、切れ味の基本となっているのでは
ないでしょうか。


■良く切れる包丁がもたらす物■

良く切れる包丁がもたらす物は、綺麗な切り口と、仕事効率の向上、切り手の快感 v(^^)v 多々あると思い
ますが、綺麗な切り口(角が立って表面が照る)は、食材の細胞を壊さないで切れている事だと勝手に思っています。
細胞なんて眼に見えないので分かり易い例えをするならば、ミカンの粒々を壊さないで切る!と言う事でしょう。
例えミカンの粒々を切ったとしても、その粒から果汁が表面張力で残ってしまうような感じです。
切れ味の悪い包丁で切ると、この粒々を破壊して行く感じがあると思っています。その破壊した粒々の中に水分が
入ったら、水臭くなる・・・っと思いませんか? もしも、それが刺身などなら、潰れた細胞の中に水分が入り水臭い
刺身になってしまうと思いませんか? そこまで神経質になる必要があるのかどうか分かりませんが、究極の話で
言えば、舌に乗せた素材の味を軽減させてしまうと思います。

仕事効率の向上に関しては聞いた話ですが、切れない包丁で切るとイライラするとか・・・。
その為に数本包丁を用意してあって切れ味が落ちたら交換して・・っと言う話を聞きました。
マグロの油が多い部分などを大量に切ったら包丁に油が巻いて切れなくなると言う事は仕方が無いと思いますが、
パサパサの切れない包丁で切ると、切れ味が悪い=綺麗な切り口が出ない=イライラする=ストレス・・・・っと
悪循環!バットサイクル!が生まれて良い事は何もありません。

良く切れる包丁がもたらす物は、そういった悪循環の解消と良い仕事が出来る事から生まれる快感があると・・・。
人間心理学的になってきましたね(^^;


片刃が良く切れる理由・・・などなど!もっともっと書きたい事がありますが、更新も控えていますので、ここらへんで!


特集TOPへ